Windows3.1でインターネットに接続しよう

Update 2002/03/30

0.序文

Windows3.1でインターネットに接続し、ブラウザやメールを使いたいという要望は(Windows3.1が主流から外れたとはいえ)あるだろう。私もその一人である。そこでちまたにある無料ブラウザといえば、やはりマイクロソフトかネットスケープかということになる。
以下の文章は、2社4ソフトを実験のために何度もインストールしまくって得られた使用体験記である。Win3.1用ブラウザのここまで詳細な比較サイトはおそらくここが初であろう、と自負している。みなさまのお役に立てたらこれ幸いというものである。

1.ブラウザを決めよう

Windows3.1対応ブラウザ

IE4Navigator4IE3Navigator3
正式バージョン4.014.043.02a3.01
料金無料無料無料無料
必要容量30MB以上不明(推定30MB以上)10MB以上不明(推定10MB以上)
必要メモリ12MB以上不明(推定12MB以上)4MB以上不明(推定4MB以上)
追加ソフトOutlookExpress4/ダイアラー(TCP/IPスタック)等Messenger/Collabra/Composer等InternetMail/ダイアラー(TCP/IPスタック)等Netscapeメール等
起動速度やや速いやや遅いやや速いやや遅い
読込速度やや速いやや遅いやや速いやや速い
(メモリが少ないとやや遅い)
再現性ほぼ同等ほぼ同等やや劣るほぼ同等
ブックマークお気に入り方式ブックマーク方式ブックマーク方式
(階層作れず)
ブックマーク方式
最新技術JAVA/ActiveX/CSSJAVA/CSSJAVA/ActiveX/CSSなし
(JavaScriptは使える)
ルック&フィールほぼ同等ほぼ同等ほぼ同等ほぼ同等
アンインストーラー付属付属付属
(Setup.exeと兼用)
付属
ダウンロードie4_31.exe(8,423KB)cc16e404.exe(13,789KB)jaful30f.exe(4,751KB)n16ja31.exe(3,119KB)

※IE5もあるのだが、こちらはNT3.51専用だそうな。

<ブラウザ各論>

  1. メモリについて
    搭載メモリの量はブラウザの起動と読み込み速度に決定的な差を付ける。4MBではバージョン3の各ブラウザで忍耐力があれば使える程度。8MBでようやくそれなりに使える。
    バージョン4の各ブラウザを使うには最低でも16MBは欲しいところ。もし4MBで使うと起動に5分以上待たされる。32MBあれば文句無く快適に使えるだろう。このことは付属のメールソフトでも同様である。特にOutlookExpressは多めのメモリを要求する。やはり16〜32は欲しいところである。
    結論として、メモリが4〜16MBの場合はバージョン3が望ましく、それ以上あればバージョン4も選択肢に入れられる。
  2. 起動速度について
    IEとネスケではどちらのバージョンでもIEの方が1.5から2倍程度速く起動する。それは32ビットバージョンでも同じことなので、まあ、好みも左右するだろう。1.でも書いたが、メモリの量に大きく影響されるので、なんとかメモリを増やしておきたいところ。だめならコントロールパネルでスワップファイルを12MB程度に大きくするしかない(あまり効果はないが)。
  3. 読み込み速度について
    メモリが少ないときはIEの方が速いが、十分なメモリがあればネスケの方が速く表示される。
  4. 再現性について
    再現性をとるならバージョン4の各ブラウザを使いたいところである。バージョン3ならば難しいところではあるがNetscapeの方が表組みのセルに付けた色を再現してくれるため、ディスプレイが256色以上扱えるならこちらの方がよいかもしれない(IEは色が白くなる)。
  5. お気に入りについて
    IE3のお気に入りは、ネスケが採用している1つのファイルに複数のURLを記述する「ブックマーク方式」である。ゆえにネスケのブックマークをIE3でそのまま(bookmark.htm→favorite.htmと改名して)、利用可能である。ただし、IE3のお気に入りは階層構造にできない。そのため整理ができないという難点がある。
    IE4のお気に入りは1つのURLに1つのファイルを作るいわゆる「お気に入り方式」であり、場所は「インストール先\Profiles\Defuser\Favorite」である。32ビットIEとの互換性であるが、お気に入りを持ってきて入れてやれば使える。しかしお気に入りの名前が8文字でちょんぎられてしまうことになる。それを解決するためのコンバーター「Favorites16 Converter(favs100.exe/174KB/Freeware)」を自作したので、ご自由にどうぞ。
    こういうわけで、IEは3も4もお気に入りの互換性が低めである。
  6. ブックマークについて
    ネスケのブックマークに関しては互換性がとれているので、そのままコピーしてくれば大丈夫である。IE5を使っているのならば、ファイル→エクスポートで、お気に入りをエクスポートしてやればよい。こうするとお気に入りがブックマーク形式で作成されるので、そのファイルをネスケへ持っていけばよい。
  7. 入手先について
    ネスケの場合はどちらのバージョンともNetscapeのサイトから普通に落とせる。表面上は「最新版を今すぐダウンロード!」みたいになっているが、そこからたどっていけばすぐ見つかる。
    IEの場合は、とりあえずIE4についてはきちんとしたIE専用ページでのダウンロードが可能である。この場合アクティブセットアップになるので、まず最初にSetup.exeをページからダウンロードし、そのSetup.exeを起動してアクティブセットアップを開始する。これを使わないと必要なファイルをダウンロードできないので注意が必要である。IE3についてはすでに日本語で書かれたサイトが無く、英語サイトへ接続してダウンロードすることになる。私が試したときはHTTPサイトはどれも反応が遅く、だめっぽかった。そこでFTPサイトの方へ接続してみたところうまく行った。

    最近調査したところ、IE、ネスケともにWin3.1版が行方不明なため、私が取っておいたファイルを直にサーバーへ置くことにした。プロバイダに削除されない限りずっと手に入る。
    (追記:ネスケ版は、ネスケのサイトからもダウンロードできる。2002/03/30)

  8. 結局どれがよいのか
    まずメモリの量。これでバージョンを決定する。あとはバージョン4ならば自分がどのブラウザが好きか、という問題になってくる。
    バージョン3の場合は速度の面からはIE、ページの再現性で行けばネスケ、システムへの影響度(いろんなDLL入れまくり)からすればネスケ、ルック&フィール(格好良さ)ではIE、お気に入りの使いやすさはネスケ、付属のメーラーはIEの方が使いやすい。
    非常に難しいところではあるが、両方入れられる環境ならば入れておいた方がよい(競合しないので大丈夫)。IE3とネスケ3でどちらか一方と言われたら、4MBなどのメモリが少ないときは速度面を重視してIE、十分なメモリがあれば機能面でネスケ3を勧める。

    なお、IE4には印刷の面でバグがあって、場合によってはページをうまく印刷できないときがある(Readmeに書いてある)。そのため印刷するならネスケ4を使うべきである。


2.TCP/IPスタックの導入

Windows3.1にはTCP/IPとダイアルアップソフトが付いていない。市販で売っているものもあるが(TrumpetやChameleonが有名)、単にダイアルアップしたいだけならIEに付属するダイアラーで十分である。なんといっても無料なのがありがたい。このダイアラーはWindows95に付属のものとほとんど同じである。IE専用というわけではないので、FTPソフトなどと組み合わせても使えるであろう。

※注意:ダイアラーが使えるのはDOS/Vパソコンのみです。NECのPC-98XXシリーズには対応していません。

<インストール方法>
IE3/4を標準のブラウザとして使うのであれば、IEと一緒にダイアラーとTCP/IPスタックもインストールされるのでこの項は無視してよい。
ネスケのみが使いたいのでダイアラーとTCP/IPスタックだけ欲しいという場合は、以下のようにする。

  1. IE3をフルセットでダウンロードする(入手先は上記1.参照)。
  2. ダウンロードしたファイル(jaful30f.exe)を起動し、セットアップファイルを展開させる。
  3. Setup.exeを起動し、カスタムセットアップを選択する。
  4. オプション画面で一番上のブラウザのみにチェックを入れてインストールする。
  5. インストール途中で、「モデムのインストール」ダイアログが表示されるがキャンセルする。
  6. セットアップ終了後、Systemディレクトリにある「COMCTLIE.DLL」と、IEのインストール先ディレクトリにある「INETCFG.DLL」をそれぞれどこかにコピーしてとっておく。
  7. 再度Setup.exeを起動して「すべて削除」ボタンを選択し、IEをアンインストールする。
  8. IEをインストールしたディレクトリには余計なフォルダも残っているので丸ごと手動で消す。
  9. 再度Setup.exeを起動し、カスタムセットアップを選択する。
  10. 「TCP/IPスタックとダイアラー」のみにチェックを入れて次へ進む。
  11. 「モデムのインストール」でモデムを検出させる。一応、自動検出に対応しているが、もし失敗したら一覧から選択してみるとよいであろう。
  12. 先ほどとっておいたDLLを元の場所へ戻してやる。
  13. 「インターネットへ接続」を起動して接続ウィザードでダイアラーとTCP/IPの設定を行う。この時はセットアップオプションで「手動」を選んだ方がよい。

なお、IE4にもダイアラーとTCP/IPスタックは付いているのだが、ブラウザと一緒でないとインストールできないので、独立してインストール可能なIE3の方を使うのがよい。

<おまけ - インストール容量>
「IE3+Internet Mail+ダイアラー」と「ネスケ3+ダイアラー」では、ネスケやや容量少な目(比較して800KB程度少ない)であった。容量的にはさほど気にする必要はなさそうだ。


Written by H'Imagine
トップページへ